heso inc.|株式会社ヘソ

The PRESS11「TO BREAK THE MOLD」

自ら企画・発行しているオウンドメディア「The PRESS」。2015年に創刊し毎回テーマを設定しながらビジュアル、執筆、印刷、製本などチャレンジを重ねている。時代や状況を反映させながら形にすることでhesoができることを伝えるPRツールであり、ムードや考えを発信するクリエイティブなアクションである。
11号のテーマは「TO BREAK THE MOLD」。「型破り染め」と称した新しい表現とともに、自分たちの次への挑戦を印象付けるカレンダーを作成。

制作風景はSTUDIOから https://heso-cha.com/studio

Year : 2024
Publication : heso inc.

「hesoといえば黒のドローイング」。WEBをリニューアルしてからこんな印象を伝えてもらうことが多くなってきた。しかし「The PRESS」では新たな提案をしたい私たち。 色使いと新しい描き方へのチャレンジとして、インスピレーションを得たのは民藝の“型染め”だった。
その魅力は、型自体の形に制限があること、そして刷った際に無作為に生まれる色と形の現象にあると思う。
ホームセンターで使えそうな素材を物色し、買い物かごに入れたのは、網戸の網と、水回りの養生などに使うアルミテープ。網にテープをペタペタ貼り付けて抜けを作り、そこにアクリル絵の具を刷り込むと、網から抜け出たインクが境界線に独特な表情を生みす。
これを“型染め”ならぬ“型破り染め”とでも名付けることにしよう。
新しい挑戦には困難がつきものだ。今回の場合、カレンダーの文字がそれだった。何度やっても、1~31のどこか一部がビシャっと潰れてしまう。これを12ヶ月ぶん刷るというのは、先の見えない作業だ。
メンバーにそんな泣き言をLINEすると、瞬時に電話が返ってきた。「それって絵の具が緩いってことだよね?ヤマト糊を混ぜてみるとか…あとはアトリエの棚にシルク用の古いバインダーがあるから、もしかしたら硬さがちょうどいいかも。あとは……云々」
電話を切り悟る。つまりは、「まだ諦めるな」ということか...。
再びハートに火がついた私は動き出し、ついには数字をくっきり表現する方法に辿り着くのであった。hesoのクリエイティブにおける熱いやりとりが垣間見える、印象的なエピソードだ。