自分たちがこれまで生み出してきた紙ものたち。10年間、捨てることができずに溜まりに溜まってしまい、事務所のあらゆる棚を占拠していた。これから足取り軽く進むためにも、それらを断捨離することを決意して、９号では「断捨離カレンダー」の作成に踏み切った。

コピー機の黒が好きだ。ベタッと紙に付着するあの感じ。元ある印刷物にさらに印刷を加えるにはもってこいの方法論だ。黒いベタ面の隙間から色が見えてくるように、透明なOHPシートにペイントした絵の具を、線で削ったり、細かく引っ掻いたり、自己流の網線表現を模索し、版を作った。
すると、過去の制作物に今の表現が重なって、パワーアップしまくった印刷物が生まれた。それは自分たちにとって、これ以上ないほどポジティブな断捨離体験となった。