heso inc.|株式会社ヘソ

伊勢丹 彩り祭

「伊勢丹 彩り祭2013」のコラボレーションアーティストとしてディレクション&デザインを担当。
2013年のテーマである“カカシ”をモチーフに、ストーリーの考案、キャラクターデザイン、イベントの企画に至るまで世界観を作り込んだ。メインビジュアルは、全国の伊勢丹にてウィンドウや店内装飾、webや冊子、新聞や折り込みチラシなど様々なメディアに展開。また、彩り祭の幕開けをイメージしたアニメーションも制作。各カカシの特徴を活かした動きと展開で仕上げた動画はストップモーションで撮影し、店内、ウィンドウ、特設サイトなど様々な場所に展開された。

Year : 2013
Client : Isetan Mitsukoshi Holdings Ltd.
Producer : Yasuko Sato(pranks inc.), Haruo Komachiya(MITSUKOSHI ISETAN)

Creative Direction : Shoko Asai, Yuuka Ono, Chika Suto
Art Direction / Design / Stop motion animation : Minori Sawada

Event cordination : Fumio Kurosawa(MITSUKOSHI ISETAN), Hajime Takahashi(MITSUKOSHI ISETAN)
Video shooting / Motion : Kenta Sotobayashi
Music : Koichi Ogawa

まだhesoが会社化する前「ルーブルDNP2013」のイベントディレクションを担当させていただいた際、伊勢丹の外部ディレクターである佐藤さん(pranks)が伊勢丹の方々を連れてパーティに来てくださったことがきっかけで、秋の彩り祭コラボレーションアーティストとしてディレクションさせていただくことが決定した。大げさではなく、hesoが「株式会社ヘソ」として今ある姿は、この“彩り祭”のおかげ。2013年2月にプロジェクトが始動し8月末のイベント開始までの間に会社設立をしたのである。
スタート時に決まっていたことは、カカシがモチーフであるということ。秋の収穫祭である本イベントに世界各国のカカシが集まってくるというストーリーから、世界の民族衣装や伝統の遊びなどを調べ、全体における時代設定や表現方法を決めていった。当時は「まずメインビジュアルを作り、様々なメディアに展開していく」という自然な流れさえも理解に乏しく、様々な回り道や自分よがりな提案もしながら、実戦で【アートディレクションとはなんぞや】を体験した。
なんでも取り組む私たちの姿勢を面白がってくださり、最後の最後に動画製作まで挑戦させてもらい、ストップモーションアニメーションを作ることを決意した。人形劇のように棒をつけて、実際に一コマ一コマ動かし撮影するその手法は、一本の棒で立ち滑らかな動きができないカカシ本来の姿とリンクし、喋れないカカシたちの思いは無声映画のイメージでセリフのコマを増やして表した。動きに制限があることとキャラクターの特徴が一致し、ベストな表現に持っていけたと思っている。

半年以上に及ぶ制作期間を経て、一つ一つの動きが最終的に同じ点に集まり、物事の始まりを立体的に捉える貴重な経験となった。